始まりの端末

一般的に携帯電話がようやく世間に広まり出した1990年代はまだまだ機能が通話機能のみという携帯が主流であり、せいぜいメッセージ機能が搭載されているというものがほとんどでした。形状もストレート形状やフリップ式というものが殆どで、今のような携帯電話の進化を予想している人も少なかったと言われています。

しかし、アメリカのアップルコンピューターは1992年に「アップル・ニュートン」というモバイルデバイスをリリースします。こちらは通信機能だけでなく手書き認識システムをスタイラスの利用によって実現した画期的なものとなっていました。このような端末は当時PDAと呼ばれ、jビジネスユーザーなどを中心に広がりを見せていました。

この「アップル・ニュートン」は一般的な支持を集めることは難しかったですが、アメリカのPalm社がリリースした「PalmPilot」は一部のビジネスユーザーだけでなく個人向けにもヒットしました。このヒットは世界中に駆け巡り、PDAという個人用情報端末を所有するという考え方自体が一般的にも浸透していったのです。このPDAというモバイルデバイスこそがスマートフォンの発祥だという声もあります。